うれしいお知らせ

 教えてもらったので紹介します。
 広報京丹後2024年1月号(第238号)、23ページめの図書館だより「今月のオススメの一冊」に井上彼方 編『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』が、そして丹後半島が舞台の作品として拙作が紹介されています。

www.city.kyotango.lg.jp

 まず読んでもらえたことがうれしいですし、紹介してもらえたことがさらにうれしいです。

 

(以下1月27日追記)

 フィクションでは、モデル地域の名称をもじった架空の地名することはよくあるので読む上ではあまり気にならないと思うんですが、「地元が聖地として消費される問題を描いた作品なので架空の町名にしたい」と提案するのは勇気が必要でした。
 なぜなら「ここが舞台です!」とアピールできるほうが売りやすいから。駅名とか浜の名前とか図書館の名称とかも出せたほうがおそらくよかった。
 

『京都SFアンソロジー(仮)』コンセプトにはこうありました。

 

「京都らしさ」としてパッケージにしてしまうと取りこぼしてしまうもの、「京都らしさ」を生み出してきた生々しい人々の生活や歴史、「京都らしさ」とは離れたところでひっそりと息づいているものたちに目を向けながら、アンソロジーを編みたいと思います。
 
 今まで描かれてこなかった部分を取りあげようとするアンソロジーの公募に対し、描くことの暴力性についての作品を私は送り、採用されたわけです。採用のメールをいただいたとき、うれしかったですが正直、「コンセプトに水を差すような小説なのに?」と驚きました。

 

 架空の地名にしたいという提案も快く受け入れてくださり、ありがたかったです。
 改稿時にはさまざまなアドバイスをいただいたおかげで、こうして取り上げてもらえる内容になったと思います。

 

 出版不況と言われていも、新刊はどんどん発売されます。そんななか、「紹介したい本だ」と思ってもらえることは本当に本当に本当にすごいことです。

(以上追記おわり)

 

 執筆前に観ていたドラマが『大奥』や『ブラッシュアップライフ』で、スペキュレイティブ・フィクション(現実世界と異なった世界)をやろうと決めて、架空の特産物をめぐる話になりました。

 架空の存在をたすと、現実世界の何を残して何を消すかという作業が生じます。地域の歴史や産業を改めて調べたことで、自分の感覚として知っていた事柄と現実との差異に気づかされました。

 

 そして私は出店しないのですが、明日1/14(日)開催の文学フリマ京都8には、『京都SFアンソロジー:ここに浮かぶ景色』の関係者さまたちが出店されるようです。入場料無料です。

bunfree.net

 

 ただ、当日は駅伝で交通規制があるため、ご来場予定のかたは確認をお願いします。

www.womens-ekiden.jp